エッセイ 第2回 ティピの教え 文/北山耕平

第2回 ティピの教え

  • Section 01ネイティヴ・アメリカンの教え
  • Section 02いまに生きる「ティピ」
  • Section 03人類史上もっとも美しい家
  • Section 04ティピ・ライフの知恵
文/北山耕平

――インディアンはみんなティピで暮らしているわけではないけれど。

  • Section 01ネイティヴ・アメリカンの教え
 ぼくは、北米大陸の先住民のことを学ぶのを、この半世紀、自分のテーマにしています。その彼らの残した言葉のなかに、気になるものを見つけました。
 それは、

自らのティピの地面に座して、
生きることとその意味について瞑想し、
あらゆる生き物とその仲間を受け入れて、
しかも宇宙の万物とのつながりを認識している人間は、
己の在り方として文明の本質の心髄を受け入れている。

ルーサー・スタンディング・ベアの言葉
オグララ スー 一族
というものです。
 ルーサー・スタンディング・ベアは19世紀末に生まれ20世紀の半ばまで生きたネイティヴ・アメリカンを代表する教育者であり、哲学者、チーフです。 彼はティピのある暮らしの重要さを的確に表現しました。 自分のティピの地面に座り、生きることとその意味について瞑想したことが、あなたにはおありだろうか?
 ぼくにはかつて、北米大陸の砂漠でネイティヴの人の「ウィグアム」という土饅頭(まんじゅう)のような半球の家の床に座って、そこの粗末なベッドで宇宙とつながる夢を見たことがあります。
ナバホ族の家「ウィグアム」。※写真はイメージです
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