日本のポストクラッシックシーンを牽引するアーティスト、小瀬村晶による、「深く暗き森とその幻想」をモチーフにした作品集。
アコースティックなサウンドを軸に、若干のデジタルアレンジで、より森の神秘的な空気感を心地よくそして哲学的に演出した楽曲が揃っている。
穏やかで静謐(せいひつ)な、それでいて内に秘めた情熱を感じさせる音楽たちは、都市に身を置きながら森での時間に憧れ思いを馳せる私たちの心を代弁しているかのよう。
本作は、17曲に及ぶ充実のCDのほか、映像と楽曲のコラボレーション5作品を収録したDVDと、DVDの映像を写真で作品に仕上げた写真集もパッケージされている豪華版。
まさに、手のひらに収まるインスタレーションンといった趣で、単にCDに留まらず、総合芸術の高みを体現した意欲作でもある。
DVDの「In The Dark Woods」では、都会のビルに居ながら、心だけが森へとさまよい出て、軽やかなダンスでみずからを解放する美しい森と女性の映像が印象的。
お気に入りの記事などシェアをお願いします