春の始まり高尾山へ
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山頂は蝶の乱舞の向こうに
富士山の絶景

高川山登山レポート / 登山日:2018年6月7日

文・写真/名前

1.「基準山」に行こう
2. 熊鈴を付け替えて登山開始
3. ソロ登山はつらいよ
4. ソロ登山は楽しいよ
5. 登山の楽しみ!高川山山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
6. 低山登山、下りは慎重に
7. 熊鈴を付け替え忘れて登山終了

1.「基準山」に行こう

みなさまには、「自分の基準になる山」はありますか?
何度も通っていて、どのくらいの時間で登ることができるか分かっている山。自分のペースで登ると、この山は〇時間で登れる、と分かっている山。登山が久しぶりだったり、ちょっとリセットしたいな、と思うときに登る山。
私にとっての「基準山」は、山梨県大月市にある「高川山」です。標高975.6メートル、山梨県の制定した「秀麗富嶽12景」のうちの一つです。
日頃マイカー登山をしない(車を持っていない)私にとって、最寄駅から登山口まで歩ける山はとっても有難くて魅力的なのです。
最寄駅から山頂まで2時間かからない登りやすさと、山頂からの富士山の眺望に惚れて、何回・・・何回登りましたっけ?と自分で記憶をたどるのが難しいくらい、パーティーでは3回?ソロでは2回?ぐらい登っている山です。
前回の「春の高尾山」編にお書きした通り、私はしばらく山歩きから遠ざかっていました。そこで、今はどのくらいのペースで登れるのか試してみよう、と思って選んだのが今回の高川山です。
折から梅雨が始まって、低山シーズンもそろそろお休みになる頃。
北アルプスなどの標高の高い山は梅雨明けからがシーズンを迎えますが、低山は夏登るのはお勧めしません。何よりも暑いですし、汗をかいて熱中症になっても水はないし、虫は沢山、熊はいるし、天気は変わりやすくて急に雨が降ったり、低山には低いならではの危険がいっぱいなのです。
今日を逃すと、もう次は秋になってしまいそう、ということで、出発がかなりのんびりになってしまったのですが、高川山へ出かけました。
※今回は慣れている山なので、単独で昼から登って降りてきましたが、本来はお勧めしないスケジュールです。
※みなさまのお出かけの際には、余裕をもって出発し、休憩をこまめにとり、ご飯はゆっくり食べ ※この程度の低山でも、登山届を出すのは忘れずに!

2. 熊鈴を付け替えて登山開始

という訳で到着しました、最寄駅の初狩駅。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
いきなり「熊に注意」という張り紙が迎えてくれます。
リュックについている熊鈴を、よく揺れて音がするようにリュックの一番下へ付け替えます。山の中で私の存在を熊に伝えてくれるのは、この熊鈴だけです。リンリン鳴っちゃって下さいね。よろしくお願いしますよ!!
今日登る「高川山」、昭文社様の「山と高原地図」によるコースタイムはこちらの通りです。
初狩駅==30分==男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口)==1時間10分==山頂==50分==男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口)==25分==初狩駅
山歩きを頻繁に行っていたころは、ほぼこのコースタイム通りに歩くことが出来ていました。今はどうでしょう。ソロでもありますし、絶対に無理をしないこと、コースタイムを気にせず、自分のペースで歩くことをよく自分に言い聞かせて、出発です。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
駅を出てすぐのところにある案内板。高川山に至るまで案内板があちこちにあります。有難いです。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
案内板の通りに駅前を右に進むと、線路下をくぐるように案内板が見えます。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
ガードをくぐったところにも案内板が。地図もあります。
このようにとても有難く分かりやすい高川山に至る道ですが、一か所だけ案内の無いところがあります。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
地図を見れば分かる分かれ道なのですが、初めて来たときは右に行ってしまい、戻りました。右は坂道で山っぽいのです。登山シーズンの晩秋から冬には、やはり右に行ってしまい戻ってくる方を見かけます。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
その先の分岐には案内板があります。ここから先はほぼ一本道なので、迷うことはないでしょう。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
右手に墓地を見ながら、舗装された道路を歩きます。この辺りには季節の花が沢山咲いていて、舗装道歩きの単調さは苦になりません。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
明るい舗装道から植林帯に入ると一転、急に暗くなります。目が慣れないので、気分としては「まっくら」です。
熊出たらどうしよう!熊鈴をリンリン鳴らして通り過ぎます。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
舗装道が終わり、緑のトンネルの中を砂利交じりの道が続いています。新緑が目に鮮やかです。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
しばらく歩くとトイレがあります。中はとてもキレイです。管理してくださっている方に感謝です。
トイレのあたりに、地図にはない左側への分岐がありますが、林業用の作業道のようなのでお気をつけて。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
登山者カウンターがありました。カチリと押してさらに歩いていくと、本格的な登山道の入り口に到着です。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
左の階段状の道が、男坂/女坂コース、右の緩やかな道が玉子岩コースです。
それぞれのコースを登ったことも降りたこともあります。まぁお名前の通り、男坂は険しく、玉子岩コースは緩やかです。所要時間はほとんど変わりません。
一瞬、玉子岩コースに惹かれますが、今日の目的は自分のペースの確認です。男坂参りましょう!
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
 ここにも熊注意の看板。熊鈴がよく揺れて鳴っていることを、もう一度確認します。
私は熊が怖いけれど、熊も人間が怖いのです。ちゃんと「ここに人間がいます!」と主張すれば・・・もしもの時の為に熊スプレー買いましょうか。しかし、使うような場面に陥ったら、使える自信がないのです。

3. ソロ登山はつらいよ

登り始めて5分で、坂コースに来たことを後悔しました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
これは、道か?!本当に道なのか?ただの山じゃないか!!
いや、だから山でしょ、と冷静に自分に突っ込みながら、黙々と登ります。嘘です。歩いては止まり、歩いては止まりを繰り返します。ソロ登山だと、誰も励ましてくれません。
前日に降った雨のおかげで足元が悪くて、という、引き返す言い訳を思いついたのですが、まったく足元悪くありません。ほどよく湿っていて大変歩きやすいです。
お天気は良く、新緑は日差しを遮ってくれて、気温もそれほど高くなく、時折雨上がりの爽やかな風が吹いて、たんなる登山日和です。
もう、そこら辺でビニールシート広げて昼寝して帰りたい。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
そんなささやかな願いも、こんなゴツゴツした場所では叶いそうにありません。
そして誘惑の分岐点に到着しました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
女坂の緩やかな道が私を呼んでいる・・・
休憩がてら、しばし悩みます。
しかし、女坂コースにも急な部分はあるのです。
あるのですが男坂コースほどではない。
こういう時連れがいたらご意見も聞けるのですが、ソロ登山ではしっかり自分と相談しなくてはいけません。
登山口からここまでの所要時間は、25分でした。休み休み登ってきたにしては悪くないペースです。
もっとゆっくり登れば「思ったより時間かかっちゃった。やっぱり久しぶりだとね。だから女坂にしよう。」とか、自分に言い訳ができたのに、という考えが頭をかすめます。かすめますが・・・初志貫徹しましょう。
男坂コースに突入です。

4. ソロ登山は楽しいよ

道は変わらず険しく、登っては休みを繰り返す私の前に、緑色の物体が落ちてきました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
モミジの種です。緑色の付け髭のような形をしています。
この髭のような形をくるくると風に乗せて、プロペラのように遠くまで飛んでいくのですが、上も右も左も木だらけの山で、どこから来たのでしょう。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
頭上にあるのはコナラの木のようです。見渡しても、モミジの木は見当たりません。足元を見ると、いくつか同じものが落ちています。どう風が吹いたら、ピンポイントでここに落ちるのでしょう。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
迷いそうもない一本道なのですが、ところどころに案内板が立っています。ご親切に、ありがとうございます。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
だいぶ高度を稼いだようで、向こうの山の稜線が見えてきました。気分が上向きになります。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
くるくる巻かれている葉っぱ。どんな虫が中に入っているんでしょう。
ソロ登山だと、こういうものをじっくり観察する時間が取れるのは嬉しいところです。カナヘビの日光浴を邪魔しないようにそうっと歩いてみたり、マツの大木のごつごつに触ってみたり。一人だからでしょうか。いろいろなものが目に入ります。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
ついに男坂と女坂の合流地点(分岐点)まで来ました!ここから先はそんなに険しくなかったはず・・・です。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
道は尾根に出て、日当たりもよく気持ちが良いです。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
羽根子山方面への分岐には、小さい看板があります。羽根子山方面へは、表示が消されている通り、不明瞭でお勧めできません。ちゃんと、こちらが高川山ですよ、という案内板も立っているのでご安心を。
ここから山頂まではあと一息です!

5. 登山の楽しみ!高川山山頂は
蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景

羽根子山方面への分岐からこんなに距離あったっけかな・・・と思いながら、またも休み休み歩いていくと、突然視界が開けました
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
あまりにもひょこっと山頂が現れた感じがして「ああ、やっと着いた!!」というより「あら、着きました?」という気分です。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
もう最高のお天気です!
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
そして富士山。心配していたほど霞がかってもおらず、とても良く見えます。初夏の雲もいい感じです。
そして山頂には、信じられないほど沢山の蝶がいました。アゲハ蝶にモンシロチョウにキタテハ・・・なんでこんな場所に?
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
私の腕前がヘッポコで申し訳ないのですが、写真右手に写っているのが蝶です。
数えるのが難しいくらい、20羽以上はいたと思います。栗の木らしい木が山頂にあって、モンシロチョウはその蜜を求めて来ているようなのですが、アゲハ蝶は山頂の周りをヒラヒラと飛び回っているだけのように見えます。
ここは天国でしょうか。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
ひとしきり富士山の写真を撮りまくり、蝶の写真を撮ろうと頑張って、あまりの速さにあきらめ、さあ遅い昼ご飯を食べようとしたところで、膝の上に道連れがいたことに気付きました・・・・。
君はどこから一緒だったのだ!
全く気付かない私も私ですが、この毛虫も、何がしたかったのでしょう。
虫は平気な方ですが、さすがにこちらさんとご一緒にお食事は気が引けるので、その辺の草むらに移動してもらいました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
ちょっと遅いですが本日のお昼ごはん。きゅうりの塩もみが疲れた体に美味しい。
念のため保冷剤を付けてきました。
この他に行動食として、カシューナッツ、チョコレート、お煎餅を持ってきたのですが、まったく出番がありませんでした。
さて美味しくいただこうとしたら、虫が沢山寄ってくるではないですか。
この後日、八ヶ岳の麓に伺った際にも同じ虫がいて、どうやら人の涙のたんぱく質に引き寄せられてやってくる虫だそう。
顔の周りをぶんぶん飛び回って、虫よけスプレーも効きません。八ヶ岳の方に伺ったところ、ハッカ油が効果的だそうです。今度入手しましょう。
美味しく作った弁当にも見向きもせず、私の顔めがけて群がってくる虫に閉口して、そそくさと食べて退散することにしました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
 刻一刻と表情を変える富士山。いくら見ていても見飽きないのに、虫のせいで長居できず残念です。

6. 低山登山、下りは慎重に

下りの方が転びやすいので、靴紐をしっかり締めなおして下山開始です。
下りは女坂にしてみました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
 女坂では、男坂と女坂の分岐を過ぎたところから、少しだけ富士山が望めます。冬枯れの時期は特に最高です。また来ましょう。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
 全体的にゆるやかな女坂ですが、一か所だけ道が崩れている場所があります。ロープが渡されているので、これをたよりに慎重に歩きます。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
写っているのは片手ですが、実際は両手で掴みながら慎重に渡っています。あまり日の当たらない場所でもあり、昨日の雨が乾いておらず、とても滑りやすくなっていました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
沢コース(玉子岩コース)との分岐に到着です。今日はこのまま女坂コースに行ってしまったのですが、女坂コースは雨の後の下りには向きませんでした。あまり日の当たるコースではない上に、たまに急な部分があって、滑るのです。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
いきなり現れるうっそうとした緑のトンネル。このあたりにも蝶が沢山いたのですが、足元が滑りやすくて、それどころではなく、写真は断念しました。この場所は特に、立ち止まっていると滑って行ってしまいそうなのです。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
女坂の名の通り、歩きやすい場所もあります。
この後男坂と合流し、あの登りを今度は下ることになり、もう時間をかけてゆっくり降りることにしました。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口)到着。下りの方がきつかったかもしれません。初夏とはいえ、日差しが傾いてきているのが分かります。山頂でのんびりしすぎなくて良かったかもしれません。

7. 熊鈴を付け替え忘れて登山終了

山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
薄暗い植林帯を抜けると、目の前は明るい風景が広がっていました。2時間弱の行程とは言え、やはり下山するとホッとします。ソロ登山なので、余計にそう感じるのでしょうか。
民家の並ぶ辺りで、リンリンうるさいなあ、と思ったら、熊鈴をよく鳴る場所に付けたままでした。正直、山の中では心もとない音量だったのです。時折、本当に鳴っているのかな、と振り回していたのですが、町の中で聞くと、こんなに大きい音だったのですね。熊鈴もお疲れさまでした。
山頂は蝶の乱舞の向こうに富士山の絶景
静かな初狩駅に到着しました。
さて気になるコースタイムは、
初狩駅==28分==男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口)==1時間10分==山頂==58分==男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口)==20分==初狩駅
ほぼ基準タイム通りでした。久しぶりで、かなりのんびり登ったと自分では思ったのですが、それほど遅くもなかったようです。
今度は秋が深まったころに、もっと早い時間から来て、山頂でのんびりしようと思います。
念のためハッカ油を忘れずに。
詳細なコースタイムはこちら↓になります。
初狩駅 12:20
ガード下 12:26
植林帯に入る 12:37
トイレ・登山者カウンター 12:44
男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口)12:48
坂コースに来たことを後悔 13:02
男坂、女坂分岐 13:13
男坂、女坂合流 13:42
羽根子山方面分岐 13:51
山頂 13:58
写真撮りまくり 14:00
やっと毛虫に気付く 14:01
お昼ごはん 14:08
下山開始 14:30
羽根子山方面分岐 14:35
男坂、女坂分岐 14:43
女坂唯一の?難所 14:46
女坂、玉子岩コース分岐 14:55
女坂コースに来たことを後悔 15:01
歩きやすくなり機嫌よくなる 15:03
男坂と合流 15:08
やっぱり玉子岩行けばよかったと後悔 15:10
男坂/女坂、玉子岩コース分岐(登山口) 15:26
トイレ・登山者カウンター 15:29
下山した感 15:37
初狩駅 15:46
幸運にも電車すぐ来る 15:50

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